IARシステムズとCAESのパートナーシップにより、IAR Embedded WorkbenchがNOEL-Vをサポート

2022年12月16日 - 組込みシステム開発用のソフトウェアツールとサービスのサプライヤとして世界をリードするIARシステムズ株式会社（本社：スウェーデン、ウプサラ市・ヨーテボリ市、日本法人：東京都千代田区、代表取締役社長　原部和久、以下: IAR）と、CAESのフォールト・トレラント・プロセッサ設計センターであるGaisler社は、新しいパートナーシップを開始することを発表しました。IARが近日リリースするIAR Embedded Workbench for RISC-Vの新バージョンでは、Gaisler社のRISC-V宇宙グレード・プロセッサであるNOEL-Vをサポートする予定です。

 

NOEL-Vは、RISC-Vアーキテクチャを実装したプロセッサの合成可能なVHDLモデルです。高度なコンフィギュレーションが可能で、高性能なLinux対応アーキテクチャからエリアに最適化されたマイクロコントローラソリューションまで、様々なプロファイルを提供します。また、NOEL-Vは、宇宙環境に存在する放射線による不具合を自動的に修正し、中断することなくソフトウェアを実行できるフォールトトレラント機能を搭載しています。

 

IAR Embedded Workbench for RISC-Vは、開発者が必要とするすべてを1つの使いやすい統合開発環境で提供する、完全な開発ツールチェーンです。このツールチェーンは、マルチコアデバッグや、複雑なコードとデータのブレークポイント、動的なスタック解析、コールスタックの可視化、コードカバレッジ解析などの解析を含む、広範なデバッグ機能を提供します。

 

IAR I-jetデバッグプローブは、標準的なRISC-V JTAGデバッグインターフェイスを使用し、NOEL-Vシステムでの効率的なデバッグインターフェイスを提供します。また、自由にダウンロードできるNOEL-V FPGAサンプルビットストリームの次のリリース（2023年12月）でも利用できます。

 

NOEL-Vプロセッサを搭載した、ミッションクリティカルなアプリケーションに取り組む開発者は、IARコンパイラの優れた最適化技術により、より高いパフォーマンスを達成し、IARの総合デバッガを活用することもできます。

 

このパートナーシップは、NOEL-Vユーザーに、Gaisler社が既に提供している幅広いツールセットに加え、新たな開発ツールチェーンを使用する柔軟性も提供します。

 

Gaisler社のHead of the Software SectionであるDaniel Hellström氏は、次のように述べています。「IARは、NOEL-VサポートをIAR Embedded Workbenchに統合し、RISC-Vの宇宙向けアプリケーション開発に認定ツールチェーンを提供する素晴らしい仕事をしました。当社のプロセッサにRISC-V規格を採用することで、RISC-Vソフトウェアのエコシステムとサードパーティのツールチェーンおよびデバッグ機能を活用することができます」

 

IARにとって、今回のパートナーシップは、NOEL-Vアーキテクチャが主要な位置を占める宇宙市場への重要なステップとなります。

 

IARのCTOであるAnders Holmbergは、次のように述べています。「私たちは、CAES社と協力し、我々のRISC-VツールチェーンにNOEL-V RISC-Vプロセッサのサポートを追加できることを大変うれしく思っています。IAR Embedded Workbenchは、セーフティクリティカルなアプリケーションを扱う世界中の企業にとって、当然の選択です。我々が過去40年間に習得した組込みの専門知識と、宇宙用プロセッサを提供してきたCAESの長い伝統を組み合わせることで、ハードウェアとソフトウェアの専門家が宇宙産業での開発を加速させるのに役立つでしょう」

 

CAES 社宇宙部門Vice President and General ManagerであるMike Elias 氏は、次のように述べています。「この協業により、両社の製品ポートフォリオが大きく向上し、IAR 社と CAES 社が宇宙市場全体で認知度を高めることができると確信しています。NOEL-Vがより多くの最先端ミッションで活用されることを楽しみにしています。IAR社のNOEL-Vに対するサポートは、より多くの潜在的なユーザーに我々のプロセッサを採用することを促すでしょう」

 

IAR Embedded Workbench for RISC-Vの詳細は www.iar.com/ewriscv. をご覧ください。