池上通信機株式会社
「IAR Embedded Workbench for Armでの製品開発を通して、最も印象的だったのがコンパイラのコード効率が非常に良かった点です。」
池上通信機株式会社(以下、池上通信機)は、放送機器、医療機器、セキュリティ機器などを製造・販売する産業機器のメーカーです。今回、IARシステムズの統合開発環境IAR Embedded Workbenchを採用したアプリケーションは、その中の放送局や病院向けモニタです。それらのモニタには多種のCPU/MCUコア製品が使用されているのですが、全てIAR Embedded Workbenchが対応しています。多数の製品ラインナップを迅速に開発するためには、高性能の開発環境の標準化が必要でありArm Cortex-MシリーズおよびCortex-Aシリーズを1つで賄えるIAR Embedded Workbenchを採用し、活用してきました。
写真 (左から) 放送用映像モニタ HLM-2460W / HLM-1760WR / HLM-1560WR / HLM-960WR
IAR Embedded Workbench採用のポイント
- 高性能:コンパイラのコード効率が高く、同じプログラムでも実行処理速度やROMサイズの削減に貢献した。ツールの起動や操作性など軽快なため、開発効率が良い。
- 高い汎用性:組込みシステムで利用する主要なArm CPUに全て対応しているため、開発検討フェーズから量産フェーズまで同一のツール環境で開発が可能。
- 広範なエコシステム:グローバル対応のツールのため、海外製RTOSを採用した機能拡張や移植が制限なく行える。
- 迅速なサポート:1営業日以内に1次回答を得られる迅速なサポート体制がある。Arm CPUを初採用した当時に、半導体メーカーと連携してオンサイトセミナを開催してくれたおかげで立ち上げ期間短縮に繋がった。
開発担当者の声
池上通信機株式会社 プロダクトセンター 高田征宏 様
「Armでの製品開発を行いたく、多くのコアに対応しているIAR Embedded workbench for Arm(EWARM)統合開発環境を採用しました。以前使用していた別の開発環境からの移行は、スムーズに実施することができたのも良かったです。EWARMでの製品開発を通して、最も印象的だったのがコンパイラのコード効率が非常に良かった点です。
池上通信機の製品には、機能を提供するアプリケーション部と自身のROMを書き換えるためのブートローダ部の2種類のファームウェアが書かれています。当初、ブートローダ部はベアメタルで実装して極力ROM容量を削り、アプリケーション部とは異なるソフトウェア構造で開発するという従来の手法を採用しようと考えていました。 ところが、アプリケーション部を設計している段階で、EWARMのコード効率の良さに驚き、アプリケーション部と同じOSを搭載した上で、ブートローダ部をつくることができるのではないかと考えました。最終的にOSを搭載したブートローダ部のコードサイズを非常に小さく作成することが出来たため、2種類のソフトウェア構造を共通化し、開発効率/メンテナンスの向上につながり大きなメリットを得ることが出来ました。」